「よし、筋トレするぞ!」
そう決心したはいいものの、実際は何をやっていいかわからない貴方へ。
まずは自宅で、自重トレーニングをしてみるのはいかがでしょうか。
最近は「ジョギングよりも筋トレの方がダイエットに効果的」という考えも強く、
筋トレがちょっとしたブームにもなってきています。
しかしこれまで運動をしてきたことがないのに「今すぐジムへ入れ」「ダンベルを買え」と言われてもちょっと敷居は高い。
実際のところジムへ入会する、筋トレグッズを買うというのはおすすめの一つではあるのですが、それしか選択肢がないという訳ではありません。
まずは今回紹介させていただくトレーニングを試して、体を慣らしてみてから徐々に運動のレベルを上げていくのも悪くないかと思います。
自重トレーニングとは
道具は自分の身体!
自重トレーニングとは、主に自分の身体を使った筋トレ(ウェイトトレーニング)の事です。
身体を成長させるためには、筋肉にできるだけ負荷をかける必要があります。
通常の筋トレであればダンベルやバーベル、マシンなどを用いるのですが、自重トレーニングの場合は自分の身体そのものを重りとして扱う訳です。
侮ることなかれ!
ジムでトレーニングするのと比べてやや軽くみられがちな印象ですが、侮ることなかれ。
自重トレーニングには自重トレーニングにしかないメリットもたくさんあります。
また、自重トレーニングだけで立派な身体を作り上げる方もたくさんいます。
では、具体的にどのような特徴があるのか。
そのメリットとデメリットをおさえていきましょう。
自重トレーニングのメリット

自重トレーニングのメリットは以下の通りになります。
基本道具不要
自重トレーニングで必要なのは基本的に己の身体一つのみ。
道具があればもっと質を上げることができるとはいえ、必要不可欠というわけではありません。
元手がゼロでできるため、気軽に挑戦することができます。
運動というものは、とにかく始めるまでの敷居が高いもの。
「とりあえずやってみようか」と気軽に始められるのは、筋トレ初心者にとって大きなメリットです。
場所を選ばない
道具を必要としないため、どこでもすぐに行える。
これも自重トレーニングの素晴らしいメリットの一つです。
自宅はおろか、会社の休み時間にだってトレーニングできます。
自分の部屋でも、職場でも。
朝起きた直後でも、夕食をちょっと食べ過ぎた後にでも。
やろうと思えば今すぐこの場で、この記事を読みながらトレーニングをする事だって可能なのです。
ここまで手っ取り早く行える運動は他に存在しません。
本当に存在しないんです。
クセにしやすい
道具不要、時間も場所も選ばない。
これだけお手軽なため、自重トレーニングは非常にクセにしやすい。
つまり、習慣化しやすいという特徴があります。
ダイエットや筋トレを持続させる一番のコツは習慣化させること。
やることに抵抗がなくなる、当たり前のように毎日こなせるようになることが重要です。
その意味では、スキマ時間にできる自重トレーニングは非常にクセにしやすい。
「やらなければ何だか気持ちが悪い」、ここまでくればボディメイクは成功したも同然です。
自重トレ≠強度が弱い
また、バーベル等のトレーニングに比べて調節が効きづらいとはいえ、トレーニングの強度が弱いというわけではありません。
冷静に考えてみて、人間の体重は大体50〜60kg程度。
成人女性でも、50kg以下という人は決して多くはないでしょう。
それだけの重さを利用したトレーニングの強度が、弱いはずはありません。
きちんと行えば、自重トレーニングでもしっかりと体を鍛えることはできます。
自重トレーニングのデメリット
ただし、残念ながら手放しで褒めちぎるわけには行きません。
自重トレーニングならではの問題点もいくつかあります。
負荷の調整が難しい
自重とは自分の体重を負荷としたトレーニングです。
逆にいえば、自分の体重を変えなければ負荷の調節が効きません。
筋トレは身体の鍛え方に応じて、徐々に負荷を上げる必要があります。
これを「過負荷の法則」と言います。
筋トレを始めたての方はともかく、慣れてくると徐々に負荷を上げる必要が出てくるのです。
その意味では、自重トレーニングはやや負荷不足。
筋トレに慣れてくるほどに負荷が物足りなくなってしまいます。
時間がかかる
とは言っても、もちろん自重トレで負荷を上げる方法があります。
トレーニングの回数を増やす方法です。
ある日、自重トレーニングで10回同じ動作ができたとします。
次にやるときは11回、同じ動作ができるようにしてください。
その次にやるときは12回、更にその次は13回。
回数を増やすことで、身体への負荷を上げていくのです。
これならば自重トレでも負荷を上げることができるのです。
この方法の問題点は、負荷を上げれば上げるほど時間がかかってしまうという点です。
最初は30分かかっていたトレーニングが、次第に40分、50分、1時間……と再現なく時間を消費していってしまいます。
プロのアスリートでもない限り、筋トレに半日以上かけるというのはおすすめしかねます。
正しいフォームの習得が必要
自重トレーニングは確かにお手軽ではあります。
しかし、正しい効果を得るためには正しいフォームの習得が必要。
あまりに間違ったフォームで行った場合、関節や筋肉を痛めてしまう可能性もあります。
「そんなの、痛くなったらやめればいいじゃないか」
そう思われるかもしれませんが、実際には筋トレ後の筋肉痛などに紛れてしまいがち。
トレーニング終了後に痛みが強くなる事があるので、注意が必要です。
どの筋肉を鍛えるのか
まずは大きい筋肉から
筋トレを行う際、まずは身体の中でも大きな筋肉を鍛えましょう。
その方がダイエットの面でも、ボディメイクの面でも有効です。
なぜなら、同じ労力をかけたとしても、元々大きい筋肉の方がより大きくなりやすいから。
ダイエット的に見れば筋肉の総量が多い分、消費カロリーが増える=痩せやすくなります。
またボディメイクの面から見ると、メリハリの効いた身体に見えやすくなります。
代表的な筋肉
まずは身体で占める範囲の大きい、代表的な筋肉を以下に挙げました。
- 大臀筋(お尻)
- 大腿四頭筋(太もも前側)
- ハムストリングス(太もも後側)
- 大胸筋(胸)
- 三角筋(肩)
- 広背筋(背中)

自宅でできる自重トレーニング3選+α
「自重トレといえばコレ!」といった、代表的な自重トレーニングを挙げてみました。
一つづつ、簡単に解説していきましょう。
スクワット(大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス)

下半身を中心に鍛えるトレーニングです。
同時に、腹筋をはじめとした体幹部の筋肉もまとめて鍛えられる、優良種目でもありますす。
基本のフォーム
足は肩幅程度に広げ、つま先は「逆ハの字」。
膝を曲げ、腰を落とす。
背筋は曲げずに、お尻は後ろに突き出すイメージです。
いわゆる「空気椅子」を想像するとわかりやすいのではないでしょうか。
実は意外と難易度高め
スクワットは有名かつ効果の高いトレーニングですが、実際のところその難易度は高めです。
膝や腰への負荷が高く、正しいフォームで行わないと体へのダメージが大きくなってしまいます。
特に身体の使い方に慣れていない初心者の場合、スクワットを無理に行った事で膝を故障してしまう事も。
下半身は日常生活でも使わない日はないため、一旦故障するときちんと休ませることがかなり難しい部位です。
トレーニング強度より正しいフォームを意識して、膝に違和感があればすぐに中止する。
最初はそれぐらい慎重でいいのではないかと思います。
腕立て伏せ(大胸筋、三角筋)

スクワットと並んで有名なトレーニング。
こちらは大胸筋や三角筋前部を中心とした、上半身前側の筋肉を鍛えることとなります。
基本のフォーム
手と膝を地面について、四つん這い。
手の幅は肩幅の1.5倍程度が目安です。
そこから膝を伸ばした形が基本となります。
床に向かって胸を下ろす→胸から手を突き出すを繰り返してください。
手の位置が高すぎると胸より肩に効いてしまいます。
胸を下ろした時、なるべく脇が開かない程度の姿勢を保ってください。
肩を痛めやすいので注意!
腕立て伏せは胸の筋肉をメインに鍛えますが、同時に肩の筋肉、三角筋にも負荷がかかります。
肩の筋肉は複雑で、負荷をかけすぎるとすぐに痛めやすい特徴があります。
野球でも、使い過ぎて肩を壊してしまう選手がよくいますよね。
筋トレでも同じことがいえます。
正しいフォームを意識しつつ、違和感など感じたら決して無理をしないようにしてください。
懸垂(広背筋)

広背筋をメインに、上半身後面を中心に鍛える種目です。
上記3種に比べるとややマイナーですが、広背筋は上半身の中でもトップ3に入る大きな筋肉。
基本のフォーム
まずは足がつかない程度の、水平なバーにぶら下がってください。
手の幅は肩よりやや広い〜2倍程度です。
そこから、顎から胸の位置を目安に身体を引き上げてください。
腕の力を使いがちですが、狙うべきは広背筋。
背中の筋肉で持ち上げる感覚を掴むとグッドです。
鍛えるのはちょっと難しい
広背筋は普段の生活ではあまり使うことのない筋肉。
そのため、意識して鍛えるのがちょっと難しい筋肉でもあります。
また、家の中ではドアの縁を利用することになりますが、握力がいるためやや筋トレ上級者向き。
近くの公園で鉄棒や雲梯などがあれば、それを利用するのがおすすめです。
上体起こし(腹筋群)

腹部を鍛える代表的な種目です。
スクワット、腕立て伏せと並んで「自宅トレといえばコレ」というイメージがあります。
基本のフォーム
つま先をベッドの端などに引っ掛け、仰向けに寝てください。
そのままお腹の筋肉を使って上半身を起こします。
完全に起こすよりは斜め45度〜60度ぐらいで止まった方が、より腹筋に効いてオススメ。
足の筋肉を使ってしまわないように注意してください。
有名…だけど、意外と優先順位は低め?
有名なトレーニングではあるのですが、実はボディメイクする上では優先度はやや低め。
というのも、全身の筋肉のうち、腹筋は意外と小さな筋肉。
一生懸命に鍛えても、労力の割には大きくならないのです。
また、前述のスクワットや腕立て伏せを行う際も、体幹を安定させるために腹筋が使われています。
他の筋トレで鍛えているのだから、わざわざ腹筋をやる必要はないというわけです。
なお優先順位が低いというだけで、決して無意味ではありません。
むしろ、腹筋自体を鍛えることはかっこいい身体を作る上では非常に重要です。
あくまで、最初のうちから無理にやる必要はないということです。
まとめ
今回は自宅でもできる自重トレーニングについて説明させていただきました。
トレーニングの種類はたくさんありますが、何よりも肝心なことは始めること。
迷って時間を浪費するよりは、手軽にできる種目から挑戦してみてはいかがでしょうか。